ムツボシくんの山城全盲物語![]() |
| 2024年12月28日 東山七条は秀吉がいっぱい!点図を持ってでかけてみませんか? |
| ハーイ!ムツボシくんです。ここ東山七条周辺には秀吉の香りがいっぱい。秀吉ゆかりの場所が集まっているのです。 まずは歴史の教科書にも出てくる秀吉の方広寺。高さ19mの黒漆に金箔の大仏は奈良の大仏をかつてはしのぎ、その釣り鐘は大坂の陣のきっかけを作ったいわく付きの文字が刻まれたもの。 ![]() 釣り鐘には「国家安康君臣豊楽」の文字が白枠で強調されている ![]() 方広寺大仏殿の跡地公園には大仏の大きさを示す鉤形の石のベンチが並ぶ そして、こちらが秀吉の朝鮮出兵の忌まわしい爪痕の耳塚。方広寺正面につながるように秀吉がつくった道、その名も正面通にあります。 そいだ耳や鼻を持ちかえりその数で朝鮮での戦功を競わせた秀吉の耳塚ここ方広寺の往時の広さを物語る話に、三十三間堂は方広寺の仏殿だったという話があります。つまり南の博物館を含め七条通を超えて三十三間堂まで方広寺の敷地が広がっていたのです。三十三間堂は、南北に約120mといった細長い建物。その内部は、千体の千手観音立像が前後10列に整然と階段状に並ぶまるで「仏像の森」。写真は撮れませんが、見えたら圧巻!ただ見学順路の終わり近くには、この建物の全体像と千手観音立像の模型がありじっくり触ることができます。 ![]() 秋の三十三間堂全景 もとは後白河上皇が平清盛に造らせた三十三間堂。秀吉時代にはここまでが方広寺。南大門とそれにつながる太閤塀は方広寺の南端をしめす遺構です。 ![]() 三十三間堂南端に東西に残る太閤塀 次は、三十三間堂の東隣の養源院。秀吉の側室・淀殿が父の浅井長政らの供養のために秀吉に願って創建したお寺。 ![]() 秋の養源院門前 見所の一つは俵屋宗達の杉戸絵。見えなくても宗達がモチーフにした白象や獅子についてはレリーフが準備されています。関ヶ原の戦いにまつわる「血天井」の話など案内人の解説はとても親切です。 ![]() 俵屋宗達が杉戸絵に描いた白象と獅子のレリーフに触れてみる ![]() 境内に暮らす地域猫、背中をなぜなぜ 最後に、さらに東隣へ。東山通りを渡ったところが智積院。こちらにも秀吉の香りが漂います。この智積院も秀吉が幼くして亡くなった最初の息子・鶴松の菩提を弔うために建てたお寺が前身なのです。長谷川等伯・久蔵父子が描いた「桜楓図」は国宝。紅葉でも大人気のお寺です。 ![]() 講堂の襖絵「桜楓図」(レプリカ) ![]() 楓の巨木が真っ赤っか まもなく梅や桜の春…。見えない人もこちらの点図を持って東山七条周辺を歩いてみませんか。きっとあなたも秀吉に思いをつなぐことができるはずです。この点図に興味のある方はメール連絡してください。 ![]() 東山七条周辺の点図地図 |
| 2024年6月30日 全盲ムツボシくんの祇園祭攻略法 |
| ハーイ!ムツボシくんです。いよいよ今年も7月、ひと月かけて続く祇園祭がここ京都で行われます。でも、見えない人が祇園祭を楽しむということはなかなか手強いのであります。祇園祭のメインは34基の山鉾。これら山鉾は重要文化財級の懸装品でそれぞれ飾られます。そして、いわば「動く美術館」となって、7月17日(前祭という)には23基、24日(後祭という)には11基が静々と八坂神社の神が見守る中、巡行するのです。このように私たち観光客にとって、祇園祭の楽しみの中心は「美」にあるのです。視覚以外でこの「美」を愛でるのはほぼ不可能なのです。 そこで、ムツボシくんが考えた祇園祭攻略法を紹介します。「美」を感じるのが難しいのなら、その「美」の周辺を、つまりはその「美」の雰囲気を楽しむこととしました。 (1)それぞれの山鉾の形や特徴についてはネットに数多く解説があります。模型も少しお高いですが販売されています。 (2)巡行の日は大勢の観光客でごった返します。おすすめはKBS京都のテレビやラジオの実況を楽しむことです。 (3)巡行の前日や前々日、特にそれらの夜は巡行を待つ山鉾が置かれてある各町周辺が歩行者天国になって屋台が出ます。浴衣を着てそぞろ歩くのも一興です。山鉾は見えずとも有料にて山鉾に載せてもらえる場所もあります。魔除け・厄除けに粽を買い求めるのもいいですね。 (4)こちらも有料ですが、祇園祭の各山鉾町を巡る2時間ほどのガイドツアーもいくつかあります。これらに参加しネット解説ではわかりにくかったことを専門ガイドに尋ねながら山鉾町を訪ねるのもいいですね。 【指でわかる山鉾マップ完成!】 ムツボシくん監修で、見えない人のための「山鉾マップ」を作成しました。17日の前祭に巡行する23基がそれぞれどの町で組み立てられ巡行を待っているのか?24日の後祭11基の山鉾町はどこなのか?が触ってわかる点字の地図です。巡行コースもわかります。点字が読めなくても大丈夫!見える人と一緒ならわかるようにと、同じ地図を見える人用にした普通字のものも付録しています。この「指でわかる山鉾マップ」に興味のある方はムツボシくんまでメールにて連絡してください。 ![]() 巡行を待つ山鉾の位置がわかる点字の地図(前祭と後祭) ![]() 点字が読めない人にもこの地図でサポートしてあげてください。 |
| 2024年6月25日 指でみる丸竹夷 〜点図でみる京都市中心部の道〜 |
| ハーイ!ムツボシくんです。ムツボシくんがこのたび製作した地図の本を紹介します。「指でみる丸竹夷」というものです。点図を用いて、指でさわって京都市中心部の道の様子がわかる本です。 取り上げた道には、中心部の骨格を構成する大きめの道はもとより、わらべ歌「まるたけえびす」でなじみ深い「通り名かぞえ歌」に登場する小さめの道もふくめています。 ここ京都の旅を楽しむ上で地図は必須でしょう。私たち視覚障害者にとってもそれは同様のはずです。ところが、今日に至るまで私たち視覚障害者の旅に役立つ指で触れてわかる地図はありませんでした。見える人にとってはスマホや現地のパンフレット類で当たり前のように持ち運べる地図が一切なかったのです。 だから、私たち視覚障害者の旅は、すべてが見える人に連れて行ってもらう受け身の旅となっていました。「はい、次を右に曲がりましょう」と言われるままにバス停に。どこをどうバスが進んだかもわからず目的地に運ばれます。清水寺がどっちの方角かもわかりません。「わあ、これが鴨川か!」「いま右に八坂神社があった!」とバスの中、見える人は地図を片手に感動を伝えてきます。そうです。旅の感動はいつも見える人が先。私たち視覚障害者はこの感動をあとからもらいうけるのです。 ところが指で触れてわかる地図があるとどうでしょう。バスの中、私たちも地図を手元に「この先で鴨川を渡るはず!」なんてつぶやくこともできます。「次は烏丸御池」と車内にアナウンスされると、聞き覚えのある地名に少しうれしくなり、この本の地図が頭にうかぶかもしれません。 そこで、視覚的に地図が読めないみなさんには、京都の旅を楽しむための第一歩として、本書を用いて京都市中心部の道の名前とその位置に親しむことをおすすめします。 また、「見えないんだけど、点字も読めないや」と言う方もおられることでしょう。安心してください。地図の点図は線がたどれれば誰だって読めます。地図内に付されている点字が読めなくても線をたどれば頭にイメージはできるものです。見えるガイドヘルパーさん用にどの点線が何という通り名なのかを記した墨字訳(普通文字訳)した図版も付録しています。「この点線は何通?」と見える人に尋ねれば見える人が墨字訳した同じ内容の地図を見てすぐに「河原町通だよ」などと答えがすぐかえってくることでしょう。 京都市中心部を街歩きしたいからといって、覚えてしまう必用もありません。本書を道の辞書として鞄にしのばせておけば気になったときにすぐに調べられるのです。 京都の旅を楽しむための基本の気として、まずは本書にて市内中心部の道の名前とそのおよその位置に感心をもっていただくことをおすすめします。「この道であってるかな?」なんて、見える同行者が見えないあなたに尋ねてくる日も近いかもしれませんよ。 (もし、興味を持ってくださる方がおられたらメールにて連絡をください。) ![]() 京都市中心部を4分割した詳細な点図(見える人のための墨字約した地図も付録) [参考サイト] ○わらべうた2-3-1 まるたけえびす/京都教育大学公式チャンネル https://www.youtube.com/watch?v=PS9idbbNHrY |
| 2024年4月17日 数々の神の使いに触れられる大豊神社 |
ハーイ!ムツボシくんです。京都屈指の桜の名所と言えば「哲学の道」。見えない人にとっては、花より団子と言いたいところでしょうが、ここ哲学の道沿いに並ぶカフェやスイーツはムツボシくん世代に言わせれば異常なインバウンド価格!とても手が出せません。それでも、どうしても哲学の道で手を出してみたいというあなたにお薦めの場所を紹介します。こちら大豊神社です。![]() 哲学の道から大豊神社への分かれ道にある有名な桜 ![]() 桜満開の大豊神社の鳥居 大豊神社は、元々は山岳信仰から始まったと言われ、そのご神体は背後の椿ヶ峰というお山。そのためでしょう。境内のあちこちに立派な椿が咲き誇り、あなたが手で愛でてくれるのを待っています。 ![]() 樹齢400年の大豊八重神楽という椿(花が鈴なり) ![]() 夫婦の難儀を晴らしてくれる夫婦梛(めおとなぎ)の木と椿 この他にも、白と紅が一輪の中で半分ずつに色づく「奇跡の一輪」と呼ばれる椿、本殿前には洛中一古い枝垂桜と向かい合う枝垂紅梅など手で花を愛でるポイントがいっぱいです。 ![]() 2月29日本殿前の枝垂紅梅が見頃間近です ![]() 4月4日本殿前の枝垂れ桜が満開です この神社では本殿よりもむしろ境内にいくつもある末社がそれぞれの特色があって興味深いです。 さあて、手で愛でる大豊神社。実はここからが本番です!本殿・末社を問わず、境内には数々の動物像の狛犬があるのです。いわば、神の使いたちに手で直接ご挨拶ができるのであります。この季節、動物像たちは椿で飾られます。 まずは本殿前には古くからの狛犬に加えて近年奉納された狛蛇。来年は巳年、こちらがブームになるかもです。 ![]() 本殿には狛蛇、白蛇と黒蛇、左右でポーズも異なる 特に有名なのが縁結びの大国社。こちらの狛鼠。左側の吽形狛鼠は長寿を表す水玉、右側の阿形狛鼠は学問を意味する巻物をそれぞれ抱いています。さわりどころですね。 ![]() 末社大国社の狛鼠、お口の中にはしっかりネズミの歯 その他にも、火伏せの愛宕社の前の狛鳶(とび)。鬼門除けの日吉社の前の狛猿。商売繁昌の稲荷社前の狛狐を触ってみましょう。 ![]() 愛宕社の狛鳶と日吉社の狛猿(猿は扇子を持ってお団子を捧げ持つ) ![]() 稲荷社の狛狐(こちらも学問成就の巻物をくわえている) 最後は良縁招福の石「福縁石」に触れてみましょう。触れながら願いをこめると良縁がやってくるかもです。 ![]() 福縁席に願いをかけるムツボシくん [参考サイト] ○大豊神社/京都 哲学の道 狛ねずみの社 https://ootoyojinja.jp/ |
| 2024年3月9日 唇と舌でみるムツボシくんの花見 〜ソメイヨシノよりは河津桜がイイ〜 |
ハーイ!ムツボシくんです。今日3月7日、ムツボシくんは桜の花見だったのであります。淀水路(伏見区)の河津桜です。淀と言えば京都競馬場で有名ですが、ここんとこ、京都で一番早い花見スポットとしても淀水路は知名度を上げてきているのであります。ネットによりますと、街づくりを目指し、2002年に伊豆を訪れ2本の河津桜の苗木を購入し淀水路に植えたのが始まり。現在は約300本。2006年に発足した「淀さくらを育てる会」が中心に植樹が進められ、街おこしがされてきました。今年は最寄り駅の「淀」を通る京阪本線では、ホームと言わず車内と言わず「ただいま淀では河津桜が見頃です」と放送も盛んです。![]() 京阪淀駅前のロータリー、この時期はもちろん河津桜がお出迎え ![]() 淀駅から徒歩10分ほどで突然満開の河津桜が… ![]() 平日の午前とは思えないこの賑わい さて、全盲の視覚障害者は桜をどのように感じ取るのか?です。梅と異なり匂いでは楽しめませんが、こんもりと密集してぼんぼりのように咲いている様子は、紙風船をやさしく飛ばすようにぽんぽんと手のひら全体で楽しめます。ただ花一輪を指先で愛でることはソメイヨシノでは難しいのでした。ソメイヨシノの花は指先で探索するには少し小さすぎるのです。 そこで、河津桜なのです!ピンク色も濃く弱視にもお薦めの河津桜。花一輪が大きいのです。これなら集中すれば指先でも探ることができますが、お薦めの技があります。唇と舌先で花を探るのです。これなら、1枚ずつ花弁を抜いて花占いだってできちゃいます(おそらく5枚なんだから「スキ!」から必ず始めること!)。お花見に出かけるのなら視覚障害者のみなさん、断然、河津桜の花見をお薦めします。 ![]() 舌に軽く触れさせ花の下の軸をゆっくり回しながら観察するとよくわかるよ 【注意】ただし、なんでもかんでも唇や舌先で植物を観察してはいけません。有毒 植物かもしれないからです。トリカブトは有名ですね。他にも身近なところでは、ス ズラン・チョウセンアサガオ・キョウチクトウ・クリスマスローズなど、花や葉・根 に毒を含むものが日本にも存在しているからです。観察する前にはよく調べておくこ とも大切ですね。 [参考サイト] ○淀さくらを育てる会 http://yodosakura.blogspot.com/ |
| 2024年1月20日 2024年京都で龍を手で見るならここ! |
| ハーイ!ムツボシくんです。今年の干支「辰」にちなみ、今回は龍を京都で手で見るスポットを紹介します。 【伏見神宝神社】 伏見稲荷大社の千本鳥居をくぐり奥社奉拝所(奥の院)へ。そこを左に進むと右手の急な坂の上に鎮座するのが伏見神宝神社。龍に触れることができる珍しい神社となっています。 ![]() 伏見神宝神社の全景 創建は平安時代初期、かつては稲荷山に祀られており、中世以降衰退していたものを昭和32年(1957年)に現在地に再建。こちらには狛犬ならぬ狛龍があり、じっくり手で見ることができます。 ![]() 左右の狛龍に触れ、天と地を行き来する龍の形をみてみよう 次に、境内の摂社のひとつ龍頭社(りゅうずしゃ)。稲荷山の地主神とされる龍頭大神が祀られています。西陣織の金具の龍頭にちなみ「衣の神様」とも。また、この龍頭大神はかぐや姫が求婚者・大納言大伴御行に持ってくるように課した「龍の首にある五色の玉」の持ち主。そこから、この地は竹取物語発祥の地とも言われています。 ![]() 龍頭像の口には宝珠、3本の爪もよく触ってみよう 祠の横には水の中から姿を表す龍頭像があり、龍が口にくわえている宝珠を回しながら祈ると願いが叶うとされています。ただ、今年はその宝珠が外されていました。 本殿の奥に進もう。霊山である稲荷山を遥拝するパワースポットがあり、朱塗りと竹製の2つの鳥居の真下には、磐境(いわさか)があり、神社の御神石とされる、降臨石「たけのこ石」が祀られています。「見えないので特別に触らせてください」と心の中でお願いしそっと触れてみました。 ![]() 降臨石のたけのこ石。苔むした形はまさに筍に見える 【瀧尾神社】 JRや京阪の東福寺駅からすぐの神社です。全長8mもの龍の彫り物が拝殿の天井に立体的に張り付いているのです。雲竜図や蟠龍図などが天井に描かれた寺院などは多いのですが、この彫刻をどうやって天井に固定しているのでしょう。これまた珍しい神社であります。 ![]() 瀧尾神社拝殿の天井の龍の彫刻(江戸後期九山新太郎の作) 創建は不明、平安時代や遅くとも鎌倉時代には成立したと考えられています。1717年にのちの大丸百貨店となる呉服店を伏見に創業した下村彦右衛門正啓の支援を受け下村家大第の援助のもと社殿も整えられ、本殿の欄間には精巧な十二支の彫刻も残っています。ただ、この龍だけは言葉で説明されてもイメージできるものではありません。そこで見えない人の観光必須アイテム・紙粘土の登場!近くの茶店に休憩がてら、同伴者にザッと作ってもらうとよいでしょう。 ![]() 3本爪でとぐろを巻きその隙間には雲があり、雲間には金の宝珠が… |