第2回 北海道の巻 その2  「五稜郭のイメージはこうして作ろう」(函館)


 現在は桜の名所としても知られる五稜郭であるが、まず、最初に触るのは全体像が一発で読み取れるこちらの全体レリーフである。このような全体レリーフがあるとないとでは観光地の楽しみ方が断然違う。


写真1
敷地・お堀・石垣とすべて手にとってわかる星形の画像。五稜郭では、まず敷地の星形を頭に入れよう、そして中心部にあるのが復元された函館奉行所





 これを約90メートル上から見るのが五稜郭タワー。展望台からの眺めは言葉による説明とはなるが、さきほど触ったときに、星形の5つの突き出しにA B C D Eの名前をつけておくとよいだろう。見える人はこのA〜Eの記号を用いながら展望台の眺めを言葉にて説明したり、指をもち、展望台のガラスにいま見える星形をなぞってあげるのもよいだろう。またお堀には実際に水がたたえられ貸しボートもあることや、実際にはたくさんの木が生い茂っていて完全な星形が見えないことなども伝えておこう。こういった情報を知ると知らないとではできあがる五稜郭のイメージが異なるものである。



写真2
展望台からみた五稜郭の画像。お堀にはボートが出せるほどの水がたたえられている





 五稜郭タワーを1階に降りると、ほぼ等身大のブロンズ3傑が待っている。まずは榎本武揚。顔から髪型、洋服、持ち物、立ち姿のポーズなどじっくり触ることができる。次はこの五稜郭を作った人物、武田斐三郎(たけだあやさぶろう)。こちらは和服、2本の刀、襟の合わせ目などもよくわかる。顔とともにちょんまげの頭も触ってみよう。最後は最大の人気者、土方歳三。ただし、これはちょっと位置が高くて、膝までの軍靴までしか触れない。最良の触察者であること、それは長身なり…と短身のわが身を嘆きつつ、最後にブロンズの大砲をじっくり触ることとした。





写真3
榎本武揚のブロンズ像の画像.。刀を杖のようにしている





写真4
武田斐三郎のブロンズ像の画像。2本差しの武士の姿





写真5
土方歳三のブロンズ像の画像。とても上までは触れないのが残念





 五稜郭の星形として5つの出っ張りには大砲が備えられる構造となっていたが、実際にはそれほどの防備の役割は果たしていないといわれている。このブロンズは、当時の大砲がとてもよくわかる。大きな車輪、砲筒の中にも手を入れてみよう。また、こんなところに8角のビスが着いている。





写真6
大砲の画像。大砲の前面に8角のビスがいくつも打ち込んである。





 時間が許せば入場料を支払って、2010年に復元された函館奉行所にも出かけてみるのもよいだろう。





写真7
復元された函館奉行所の画像





 最後に、函館の旅でJR函館駅を利用するのなら、改札内の壁に描かれている駅舎のレリーフもぜひ触ってほしい。時計を掲げる屋根の様子などしっかりつかめるだろう。





写真8
函館駅の壁にあるレリーフの画像


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