第35回 京都の巻 その6 弱視のみなさん必見!あなたの目が名画を隅々までとらえるかも? 〜京都府立陶板名画の庭〜 今回は「京都府立陶板名画の庭」というミュージアムを紹介しましょう。ここの素敵な点は、(1)屋外なので明るいこと。(2)意外と穴場で人が少ないこと。(3)実物大より大きくどこまでも近づいて名画が鑑賞可能なことです。まさに弱視の方にピッタリの鑑賞環境ですね。 地下鉄烏丸線北山駅3番出口すぐ左の陶板名画の庭は屋外ミュージアム 地下2階まで下がってみました。1430×1309cmに再現されたミケランジェロの「最後の審判」はこんな感じです。これで原寸大のようです。 「最後の審判」。1枚の大きさが約3m×60cmの陶板が縦5枚×横22枚でした! ここは建築家・安藤忠雄の設計です。耳を常にくすぐる滝の音。3階建ての壁に沿って水がほぼ垂直に落ち続けています。 コンクリートの壁に沿って落ちる滝 この流が作る池の中にもモネの「睡蓮・朝」(原寸大)が揺らめき、また、他にもレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」(こちらは原寸の2倍)が立っています。ただ、これらは柵から離れており近づくことはできません。 その代わり、どこまでも近づけるのは次の4点です。中でもスーラとゴッホは近代美術の技法の一端をあなたの目で確認できるかもです。 スーラ「ラ・グランド・ジャット島の日曜日の午後」。点描画の一つ一つの点が見える! ゴッホ「糸杉と星の道」。原寸大の2倍だからゴッホの独創的な筆遣いの跡がわかる! ルノアール「テラスにて」(原寸大の2倍) 伝・鳥羽僧正「鳥獣人物戯画」。こちらも原寸大の2倍。巻物を伸ばしたみたいにスロープに沿って眺めていけます 「鳥獣人物戯画」から有名な蛙と兎の相撲場面。こんなに大きく見える いかがですか?全盲の私にはさすがのこの鑑賞条件でも無理なものは無理なんですが、弱視の方ならきっとこれまでかゆいところがそのままだった名画の隅っこにも、あなたご自身の目が届くかもですよ。 [参考サイト] ○京都府立陶板名画の庭 http://kyoto-toban-hp.or.jp/ indexに戻る |