第42回 京都の巻 その12 青もみじと竹の精気を胸一杯に感じて歩く西山葉室の浄住寺と地蔵院

 混雑を極める新緑の京都、その中でも、あの嵯峨・嵐山からわずか南へバスで10分ほどの地に新緑の隠れ寺があります。青もみじは見えなくても清々しい空気の中、快い散策にお薦めの場所が、今回の西山山麓、葉室の地です。苔寺や鈴虫寺が有名ですが、静かに散策を楽しむのなら断然こちら浄住寺と地蔵院でしょう。

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青もみじの浄住寺参道



写真2
地蔵院門前の青もみじ



 といっても私たち見えない世界の住人としては景色や空気の素晴らしさだけではなんか物足りない。そこでまずは手でみる浄住寺といきましょう。

写真3
えっ、この竹、四角くない?



 浄住寺の参道には珍しい竹があります。「四方竹」といって、円筒形の竹筒にあたる幹がなんと四角なのでした。そして、こちらも珍しい!


写真4
竹くん、突然変異にもほどがある「亀甲竹」



 竹の節の入り方が変です。亀甲竹と呼ばれています。珍種中の珍種でしょうが、あの水戸黄門が持っていた杖はこの亀甲竹だったとの話です。


写真5
ちゃっかり2本頂戴しました



 この季節のお楽しみは筍。浄住寺では春の特別公開にあわせて筍のお裾分けがありました。


写真6
どこか中国風の黄檗宗(禅宗の一派)の本堂



 本堂内では特別公開の時期だったのでガイドさんから丁寧なお話が聞けました。


写真7
浄住寺方丈庭園にはモリアオガエルが



 この池には日本固有種のモリアオガエルが生息しているとか…。池に突き出た木の上に白い泡状の卵を産みつけるのですが、池の中ではアカハライモリがその卵を狙っているとか?禅宗のお庭にも弱肉強食の生存競争はあるのでした。


写真8
 「左 浄住寺、右 地蔵院」の道標



 さて、次に向かうのが地蔵院。歩いてすぐです。地蔵院は別名竹の寺ともいわれ、青もみじに重なる竹の美しさが見所です。


写真9
地蔵堂に続く参道は竹の精気に満ちる



 こちら地蔵院では、まずは方丈の縁側に腰を下ろし、ゆっくり小鳥たちのさえずりの中、時の流れに身を任せてみるというのはどうでしょう。築山や池などを築かない、苔の枯山水の庭です。据えられている様々な石は釈迦が亡くなった後も人々の救済を続けてくださる十六羅漢様のお姿とか…。


写真10
方丈南庭は十六羅漢の庭



 手でみる地蔵院としては、こちらの墓石をみておきましょう。


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細川石と呼ばれる細川頼之の墓石と開山・碧潭周皎の墓石が並ぶ



 この地蔵院を建立した細川頼之は南北朝時代の室町幕府管領。三代将軍足利義満の幼少期を補佐した人物です。開山は碧潭周皎(へきたんしゅうこう)です。ともに自然石を墓石とするように遺言。のちにアラカシの樹が細川石を抱くように伸びていたのですが、2018年の台風で巨木は倒れこの姿に。今は背後に細川護煕元首相により枝垂れ桜が植えられたといいます。


写真12
一休禅師母子像



 これはまだ新しい像ですが、頭を丸めていない一休さんとその母上の像です。幼少のころ近くに生家があった一休さんが修養の場としていたのがここ地蔵院だとか…。私の世代はどうしても、「母上様、お元気ですか?夕べ杉のこずえに明るく光る星ひとつ…」なんてと口ずさまずにはいられないのでありました。

○参考サイト

葉室山 浄住寺/浄住寺のご紹介
 https://jojuji.org/introduction.html

京都 竹寺 地蔵院/緑と仏様の慈悲と竹の精気に包まれる
 https://www.takenotera-jizoin.jp/



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